当館について
館長あいさつ
令和7年3月27日付けで、村内道昌前館長の後任として公益財団法人村内美術館の館長に就任いたしました村内健一郎と申します。
公益財団法人村内美術館は、株式会社村内ファニチャーアクセス創業者であり父である村内道昌が蒐集した西洋絵画を展示し公開するため、1982年11月3日の文化の日に開館いたしました。
当館の設立のきっかけとなったエピソードを村内道昌前館長から聞いたことがございます。かつて前館長がパリの画廊や美術館巡りをするなかで訪れたギュスターヴ・モロー美術館との出会いでした。郊外にひっそりと佇むこの美術館に入ると管理人が食事をしていたのか、スープの香りが漂っていたそうです。家庭的な雰囲気を感じながら天井が高い展示室に入ると、そこには壁一面に絵画がびっしりと展示されており、その迫力を目の当たりにし圧倒されたそうです。それまで、美術館は器が大きくなければならないと思い込んでいましたが、小さくても内容が濃ければ素晴らしい美術館はつくることができると発想の転換ができた、と当館の発行するカタログで記述しております。その後、前館長は、ギュスターヴ・モロー美術館を訪れて得たヒントを胸に美術館設立への大きな夢を膨らませ実行し今日に至るのです。村内美術館は、規模は小さいですがどこかコーヒーの香りのするような、親しみやすくくつろげる美術館、その呼び名は誰言うとなくピリカラ美術館(「山椒は小粒でもピリリと辛い」をもじったもの)と呼び始め、ここに前館長のユーモアが感じられます。
当館設立後も、興味を持っていたバルビゾン派をはじめ印象派などの調査、研究に熱心に取り組みながら、前館長自ら多くの絵画や彫刻などを蒐集してまいりました。2013年にはリニューアルを経て、世界のデザイナーが手掛けた椅子と絵画が同時に楽しめる「コラボレーション美術館」として再構成しました。
前館長は多くのお客様に美術館に足を運んでいただき、本物の芸術を鑑賞し楽しんでいただいていることを大変喜んでおりました。
今後も公益財団法人村内美術館は、各種美術品を人類の文化遺産として将来に向かって保存、公開を継続してまいります。そして、皆様の人生がより一層豊かなものとなりますよう芸術文化を通じて寄与してまいります。これからも前館長の遺志を受け継ぎながら、皆様方のご支援ご協力のもと皆様に愛される美術館となりますよう一層努めてまいります。
2025年
公益財団法人 村内美術館館長
村内 健一郎
村内美術館について
村内美術館は、(株)村内ファニチャーアクセスの創業者である村内道昌(1930-2025)の蒐集してきた西洋絵画を展示、公開するために、1982年11月に開館いたしました。
地域社会への貢献の想いとともに、村内道昌がかつて訪れたパリの小さな美術館、ギュスターヴ・モロー美術館のアットホームな雰囲気をお手本とし、 小さくても中身の濃い、そして何度でも訪れたくなるような美術館に、との考えが込められました。
1995年3月に現在の新館に移転し、より多くの作品を展示できるようになり、展示室には19世紀フランス絵画が約140点常設展示されました。
そして、2013年7月に展示を一新し、「世界の名作家具デザイン展」として、日本国内はもとより世界の有名デザイナーによる椅子や家具を紹介し、 日本最大級の家具・インテリア店に併設する美術館ならではの展示内容となりました。
また、「東西名画展」では近現代絵画を紹介しています。
木のぬくもりあふれる椅子や家具、スケールの大きい迫力ある絵画をお楽しみください。
気軽に立ち寄り愉しめる美術館として、今後も皆様のご来館をお待ちしております。
沿革
1982年
11月3日村内美術館開館。
1984年
『ヨーロッパ巨匠彫刻展 -ロダンからムアまで- 』開催。
1989年
『フランス絵画の巨匠たち -ミレーからブラックまで-』開催。
コロー<<夕暮れ>>をルーヴル美術館に寄贈。村内道昌、ルーヴル美術館特別名誉会員の称号を受ける。
1995年
3月、新館へ移転。
1997年
『佐藤忠良展』開催。
2002年
『クールベ展 -狩人としての画家-』開催。
2013年
7月11日、展示品を一新しリニューアルオープン
2015年
1月、東京都より公益財団法人の認可を受ける