ポケットコイルとボンネルコイルの違いとメリット・デメリット
公開日:2022/02/07 / 最終更新日:2024/04/23
マットレスは上側から、キルト層・クッション層・スプリング層・クッション層・キルト層の順で重なっています。
マットレス中央に位置するスプリング層には、硬銅線で作られた螺旋状のコイル(バネ)が入っています。マットレスの弾力性を担うコイルは、ポケットコイル・ボンネルコイルの2つが主流です。
そこで本記事では、ポケットコイル・ボンネルコイルの特徴や利点を解説し、それぞれに向いている人やマットレスメーカーを紹介します。
近いうちにマットレスの購入を考えている方は必見です。
ポケットコイルとは?
ポケットコイルとは、小さな不織布の袋に一個ずつくるまれたコイルです。
ポケットコイルでできたマットレスでは、それぞれのコイルが独立して並んでいます。
ポケットコイルの特徴
ポケットコイルを縦横同数に配置する並行配列は、コイル同士に空間があるため柔らかい寝心地になります。一方でコイル同士を密着させて配置する交互配列は、コイル数が多くしっかりとした硬い寝心地です。
それぞれのポケットコイルが体重を点で支えるため、身体にフィットしやすく、立っているときに近い姿勢を保ちます。ポケットコイルマットは、女性や痩せ型体型の人に好まれやすいです。
ポケットコイルの寿命とマットレスを長持ちさせるコツ
ポケットコイルマットレスの寿命は約8~10年前後です。寿命はあくまでも目安であり、少しの工夫をすることで長持ちさせることが可能です。
例えば、湿気対策などが挙げられます。
人間は寝ている間に大量の汗をかきます。
寝汗や皮脂を吸収したマットレスは、雑菌やカビの温床となりやすいためです。
部屋を換気し、1週間に1回程度はマットレスを壁に立てかけて、湿気を飛ばしましょう。
ただし、マットレスは熱や日差しに弱いため天日干しは避け、風通しの良い日陰に干してください。
その他にも様々な長持ちさせる方法があります。マットレスの買い替えを考えている方、ポケットコイルマットレスを使い始めたばかりの方は、ぜひこちらの記事を参考にしてください。
【おすすめ記事】ポケットコイルの寿命は何年?マットレスを長持ちさせる方法
ポケットコイルのメリット
ポケットコイルには、以下のような利点があります。
体圧分散性に優れている
ポケットコイルはそれぞれが人間の動きに応じて独立して作用し、体圧を吸収・分散させるため、身体の凹凸にフィットしやすいです。
身体の自然なSラインをキープすることによって、脳や身体の疲れを回復しやすく、質の良い睡眠へと導きます。
寝返りの振動が伝わりづらい
ポケットコイルは横揺れにも柔軟に対応し、揺れ広がりを抑えます。
寝返りをうったりトイレで起きたりしても振動が響きづらいため、2人以上で寝る際も相手の睡眠を邪魔する心配がありません。
軋み音が気になりづらい
ポケットコイルはコイル間の摩擦がありません。
動いても軋み音が気になりづらいのがポイントです。
ポケットコイルのデメリット
ポケットコイルは一個ずつ布にくるまれているため、風通しが悪くなる傾向があります。
こまめに部屋の空気を入れ替えたり、マットレスを立てかけて日に当たらない所で干したりしましょう。
また、ポケットコイルのマットレスは用いられるコイル数が多く、製造の手間がかかるため、ボンネルコイルより販売価格が高いです。
ボンネルコイルとは?
ボンネルコイルとは、中央がくびれた(つづみ型)コイルを螺旋状に巻き、ワイヤーで縦横に融合させたものです。
ボンネルコイルでできたマットレスには、連結したコイルが並んでいます。
ボンネルコイルの特徴
ボンネルコイルは体重を面で支えるため、身体が沈みすぎません。
床上に布団を敷いたようなやや硬めの寝心地で、寝返りがうちやすいのがポイントです。
芯は硬い一方、表面はクッション性を保ちます。ボンネルマットレスは、男性やがっちりとした体型の人に好まれやすいです。
ボンネルコイルのメリット
ボンネルコイルには、次に挙げる利点があります。
耐久性に優れている
ボンネルコイルは全てが連結した一つの面であるため、体重が全面に広がります。
へたりにくく丈夫で弾力性もあり、幅広い体型・体格の人に対応可能です。
風通しが抜群
ボンネルコイルは布にくるまれておらず、むき出しの状態でマットレスに繋がっています。
風通しが良いため、マットレス内部に湿気がこもることなく、カビが生じにくいです。
手頃な価格で手に入る
ボンネルコイルのマットレスは用いられるコイル数が少なく、比較的安く手に入りやすいです。
ボンネルコイルのデメリット
ボンネルコイルは連結しているため、振動が全体に伝わってしまいます。
2人以上で寝る際、寝返りや軋み音が気になるかもしれません。
また、体圧が分散されづらいため、背中や腰などに負担がかかりやすいです。
長持ちするのはどちらか
マットレスの寿命は、平均10年前後と言われています。
同じ価格帯のボンネルコイル・ポケットコイルでは、前者の方が耐久性が強いため長持ちする可能性が高いです。
ただし、ボンネルコイルのマットレスは製品のバリエーションが少ない傾向にあります。反対にポケットコイルのマットレスは品揃えが多く、価格が高い分コイルの品質も良くなります。
そのため、安価なボンネルコイルのマットレスより、高価なポケットコイルのマットレスの方が長持ちするケースもあります。
それぞれに向いている人
ポケットコイル・ボンネルコイルには、それぞれ長所・短所があります。
マットレスを買う際にどちらが良いか迷う方も多いでしょう。
ここでは、それぞれに向いている人のポイントを紹介します。
ポケットコイルのマットレスに向いている人
ポケットコイルは寝心地が柔らかく、身体に馴染みやすいのがポイントです。
マットレスにくるまれるような感覚が好きな方に向いています。
ポケットコイルの中でも、並行配列と交互配列では後者の方が硬めのため、実際に体験して選ぶのもおすすめです。特に体重が軽い方は、並行配列の方がクッション性が活かされます。
また、肩から腰回りにかけてのラインがはっきりしている方にとっては、自然なSラインを維持できるポケットコイルが向いています。
2人以上で寝る場合でも、寝返り時の横揺れや軋み音を気にする心配がありません。
反対に、マットレスを長持ちさせたい方や少しでも費用を抑えたい方には、ボンネルコイルの方が合っているでしょう。
ボンネルコイルのマットレスに向いている人
ボンネルコイルは硬い寝心地で、身体が沈みすぎません。
身体の一部分に過度な負担がかからず、寝返りもうちやすいため筋肉が固まりづらくなります。腰痛に悩まされている方や、起きた時の身体の凝りが気になる方におすすめです。
通気性に優れているため、日々の手入れに時間を割けない方にも向いています。
コストを少しでも抑えたい方にとっては、安価でも長持ちしやすいボンネルコイルが最適でしょう。
反対に、布団で寝るのが苦手な方や、寝返り時の振動・軋み音を抑えたい方には向いていません。
ベッドマットレスメーカー
当社で取り扱っている3つのベッドマットレスメーカーを紹介します。
シモンズ
シモンズは創業150年以上の長きにわたり、「世界のベッド」と称され愛されてきた老舗マットレスメーカーです。
眠りに革命をもたらしたシモンズのポケットコイルマットレスは、並行配列を採用し、コイル(スプリング)自体が寝心地を調整しています。
ワイヤーの線径は1.7mm・1.9mm・2.1mmの3種類、コイルの高さは4種類を取り揃え、組み合わせ次第で様々なニーズに対応可能です。
シモンズのビューティレストシリーズは、国内外のラグジュアリーホテルやクルーズ客船で用いられています。
シモンズの詳細はこちらシモンズは「ベッドの3S」と呼ばれる三大ベッドブランドのうちの1つとして、人気を誇っています。
「ベッドの3S」については、こちらの記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
【関連記事】ベッドの3Sとは?それぞれの特徴を解説
テンピュール®
テンピュール®は体温や体重・体型に応じて変化するフィット素材が売りのマットレスメーカーです。ロケット打ち上げ時に宇宙飛行士にかかる加速重力を緩和するための技術開発から生まれたマットレスは、NASAの承認を得ています。
テンピュール®のマットレスには最長15年保証がついているのも魅力的です。
通常のマットレスだけでなく、リクライニングベッドやネックピローなど、種類豊富な寝具を取り扱っています。
テンピュール®の詳細はこちら【関連記事】テンピュールの寿命とメンテナンス方法
フランスベッド
フランスベッドは欧州文化への憧れと「おもてなし」の心が生きる日本の一流マットレスメーカーです。
ライフトリートメントシリーズの高密度スプリングマットレスは、除菌機能を標準装備し、安心して長く使えます。ミディアムソフトとハードの2種類展開で、それぞれの身体に合った寝心地を選べます。他にも高級感あふれるデザインや電動ベッドなど品揃え豊富です。
フランスベッドの詳細はこちら【関連記事】フランスベッドとは?特徴やおすすめのマットレスを紹介
取扱インテリア・家具ブランド一覧へ東京で家具を買うなら村内ファニチャーアクセスまで
いかがでしたでしょうか。
今回は、ポケットコイルとボンネットコイルの特徴や利点・欠点を紹介しました。ご自身にとってどちらが向いているか、お分かりいただけたでしょうか。
村内ファニチャーアクセスでは、今回紹介したメーカー以外のマットレスも多数取り揃えています。
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